TBSテレビ「この差って何ですか?」で、街頭で外人にインタビューし「日本の分からない差」を聞くコーナーがあります。そこで、一人の外人が温泉卵と半熟卵の違いが分からないと質問。
番組ではこの質問に対して、たまご博物館の館長 高木伸一さんが回答。さらに、高木さんがたった5分で簡単にできる温泉卵の作り方も伝授。その内容を紹介します。
温泉卵と半熟卵の違い
たまご博物館の高木さんの話によると、
- 半熟卵は白身が固まっていますが、黄身は固まっていない。
- 一方の温泉卵は白身は固まっていませんが、黄身は程よく固まっている。
つまり
白身が固まっているのが半熟卵
白身が固まっていないのが温泉卵
という事になります。
なんとなく温泉卵とか半熟卵の違いは分かっていましたが、はっきりした違いをこたえられる人は少なかったのでは無いでしょうか。
では、その半熟卵と温泉卵の作り方のポイントですが、卵の中身の黄身と白身の固まる温度の違いにあります。
温泉卵も半熟卵も、どちらも外から熱を加えてつくっていますが、実は卵の黄身と白身は固まる温度がそれぞれ違います。
- 白身は60℃位のお湯で加熱すると固まりだし、およそ80℃で完全に固まります。
- 一方、黄身はおよそ65℃で固まりだし70℃で完全に固まります。
白身の方が固まる温度の幅が多く、黄身の方が幅が小さいんですね。温泉卵と半熟卵はこの温度差を利用して作られています。
簡単5分で出来る温泉卵の作り方
温泉卵は、70℃位の一定の温度のお湯で約30分間加熱すると出来ます。
白身は80℃で完全に固まる性質ですが、70℃の一定の温度で加熱するので白身の一部は固まりますが、完全には固まりません。
一方、黄身は65℃~70℃で固まる性質です。70℃の温度で加熱するので黄身は固まり温泉卵がつられます。
ですが、70℃のお湯で30分間も加熱するのは温度調節が大変ですし、上手くできなかったりと結構難しいと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、高木さんが、誰でもたった5分で簡単にできる温泉卵の作り方を教えてくれました。
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- 常温の卵を使います。※冷蔵庫で冷えた卵を使うと温度が下がってしまいます。
- 鍋に卵がかぶる位の水を入れて強火で沸騰させます。 ※この時、卵はまだ入れません。
- 沸騰したら、一旦火を止めます。
- 卵を入れる前に、溶いた片栗粉をお鍋の中に入れます。
片栗粉を入れてとろみをつける事で保温効果がでるので、温泉卵を作る時の温度70℃をキープすることが出来るのです。
卵4つに対して、大さじ山盛1杯分の片栗粉使い、お玉1杯分の水で溶きます。
- そして、鍋に卵を入れて、蓋をして5分待ったら完成です。※火はつけません。
半熟卵のつくり方
半熟卵は、鍋にお水を入れて100℃に沸騰したら、そこで卵を入れます。そのまま5分間加熱したら鍋から取りだしたら完成です。
卵を100℃に沸騰したお湯に入れて加熱するので白身は完全に固まります。しかし、内側の黄身に熱が伝わり固まる前の5分で卵を取りだすので黄身が固まっていない状態になります。
卵のビタミンDを摂るなら半熟卵か温泉卵がおすすめ!
また、卵にはビタミンDが含まれていますが、加熱するほど減少してしまいます。そのため、目玉焼きになると約4割は台無しになってしまうそうです。
しかし、だからと言って生卵が良いのかと言うとそうではなくて、生だと今度は吸収率が下がってしまい50%になってしまうそうです。
ですので、卵からビタミンDを摂るなら、半熟卵か温泉卵がオススメなんだそうです。
最後に『卵』と『玉子』の漢字の使い分けについて
生物学的なたまごを指す場合につかうのが「卵」
調理されたたまごを指すときに使うのが「玉子」です。
そのため、たまごかけご飯は調理されていないので「卵かけごはん」
たまご焼きは、調理されているので玉子焼きとなります。