近年、注目を集めている人気のダイエットと言えば『ロカボダイエット』です。今までの糖質制限ダイエットは、痩せてもリバウンドしたり栄養バランスが崩れるなど様々な意見がありました。しかし『ロカボダイエット』は、1日を通して適正量の糖質を食べて太らないようにする方法です。
単なる糖質制限とは違いダイエットだけでなく睡眠の質を高めたり老化防止などのメリットもあります。ここでは『ロカボダイエット』を効果的に行う方法を紹介します。
ロカボの意味は?
ロカボダイエットの「ロカボ」の意味ですが、
- ロー = 低く
- カーボ = 糖質
緩やかに糖質(カーボ)を低く(ロー)抑える。つまり、1日を通して適正量の糖質を食べて太らないようにする方法がロカボダイエットです。
ロカボダイエットの具体的なやり方
私たち日本人は、一般的に1日に約300gの糖質を摂取していると言われています。そこで、1日の糖質摂取量を70g~130gに抑えるのがロカボです。
ご飯やパンなど1日に食べる主食の量を以下のように少なくしてコントロールしていきます。
- 朝食:20~40g
- 昼食:20~40g
- 夕食:20~40g
- 間食:10g
- ご飯の場合70g・・・糖質26g
- 6枚切り食パン1枚・・・糖質26g
- うどん120g・・・糖質26g
※参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ご飯が大好きな人にとっては、最初は辛くて修行のようなものかもしれませんが、糖質はご飯だけではありません。野菜にも含まれています。主食がご飯の場合は70gで抑えましょう。
そのかわり、野菜やお肉に含まれる糖質量は少ないので、おかずはお腹いっぱいになるまで食べてもOKです。ですが、幾つか注意点があります。
調味料に気を付けましょう!
揚げ物の衣であるパン粉や小麦粉は糖質になります。ですが、衣で使っている量はそんなに心配しなくても大丈夫です。しかし、揚げ物にかけるソースが意外に糖質が多いので注意が必要です。
ソース100g中に糖質は26.3gも入っています。1人前にするとおよそ5gも糖質が含まれているそうです。
- ソース100g中・・・糖質は26.3g
- ケチャップ100g中・・・糖質は25.6g
- マヨネーズ100g中・・・糖質は17.g
※参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ですので、とんかつなどはレモンや塩で味付けをするなど工夫すると良いですね。
意外とみりんは糖質が高い
また、魚には基本的に糖質は含まれていません。ですので、塩焼や刺身で食べるのがベストです。ですが、魚の煮つけになると糖質が調味料に含まれます。特に調味料のみりんは糖質多いんです。
みりん100g・・・糖質は43.2g
【サバの調理の例】
- サバの塩焼き80g・・・糖質は0.1g
- サバの煮つけ80g・・・糖質は12.6g
糖質が多い果物や野菜
忘れてはいけないのが果物です。果物に含まれる糖質は果糖と言われ中性脂肪に変わりやすいので食べ過ぎないように注意が必要です。
例えば、ブドウ100g・・・糖質は15.2g
また、多くの野菜は糖質が少ないので大丈夫ですが、中には例外の野菜があります。カボチャや芋類は糖質が高いので注意しましょう。
- ジャガイモ100g・・・糖質は16.3g
- カボチャ100g・・・糖質は17.1g
- サツマイモ100g・・・糖質は29.7g
※参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
また、スーパーやコンビニなどで買い物しているとき、糖質の量を知りたい場合は、栄養成分表を見て、炭水化物の量から食物繊維の量を引くと糖質の量になります。
炭水化物-食物繊維=糖質
炭水化物とは、食物繊維と糖質で構成されているんです。もし栄養成分表に食物繊維がない場合は、炭水化物が糖質だとみなして考えてください。
ロカボダイエットのメリット
このロカボダイエットの場合は痩せるというほかにもメリットがあります。
北里大学北里研究所病院 糖尿病センター長 山田悟先生が、TV番組『ゲンキの時間』に出演されて、ロカボのダイエット以外のメリットについて話されていました。その内容を紹介します。
老化の防止!
シミやシワなどの原因である糖化反応が起きにくくなる。また、筋肉や骨ではなく内臓脂肪から痩せるので筋肉や骨の量が減ったりする心配がない。
睡眠に質が良くなる
タクシー会社の従業員がロカボを3か月間実践したところ、約6割が運転中の眠気が減少したと回答したそうです。メカニズムは十分には分っていないが、体重が減量することで睡眠時無呼吸症候群の症状が改善されたのも原因になっているのではないかと考えられているそうです。
また、山田先生がおっしゃるには、以前は脂質が太ると言われていてダイエットの大敵と思われていましたが、ボストン小児病院で発表された研究結果では、ダイエットを糖質を控えるグループと、脂質を控えるグループの2つに分けて実験を行ったそうです。
その結果、糖質を控えたグループではエネルギーの消費がほとんど落ちませんでしたが、脂質を控えるグループはエネルギー代謝が落ちてしまいエネルギーを燃やさいカラダになってしまったそうです。
つまり、体重を落としたままの状態をリバウンドしないで維持するには、脂質を摂っていた方が有利だと今は考えられているそうです。さらに、食物繊維を摂ることも大切なので1日350g以上の野菜を食べることが非常に大切だと話されていました。
最後に
現在は、大手寿司チェーン店の『くら寿司』でも、糖質制限をしている人に向けてシャリの代りに大根の酢漬けをしたお寿司「シャリ野菜」、シャリを少なくした「シャリプチ」、ラーメンの麺を抜いた「7種の魚介らーめん麺抜き」などのメニュを出して話題になりました。
モスバーガーでも、バンスの代りにレタスを使った「モスの菜摘 モス野菜」、すき家では、ご飯の代わりに豆腐を使った「牛丼ライト」などが販売されています。
これからも、このような糖質を抑えたメニューを用意した外食店がドンドン増加するかと思われます。外食の場合はこういったメニューを上手に活用するといいですね。