健康はもちろんですが、ダイエットにおいても糖質がとても深く関わっていることが分かっています。

今回は、糖質がなぜ太ってしまうのか?さらに、脂肪を溜め込まないようにを予防する血糖値を上げない食べ方の工夫についてまとめています。まずは最初に、糖質が太ってしまうメカニズムから見ていきましょう。

何故、糖質は太ってしまうのだろう? 

先日、NHKBS【美と若さの新常識】と言う番組で、ダイエットの極意!“ガマンしない” を学べと、言うテーマで低糖質ダイエットが取り上げられました。その時、人間が糖質を摂取すると、なぜ太るのかについてとても分かりやすく解説していましたので、その内容を簡単に紹介します。

私たちが糖質が摂取してカラダの中に入ると、胃腸で消化されブドウ糖に分解され血液中に取り込まれます。そしてブドウ糖は全身に届けられエネルギーとして使われ消費されます。その途中の経過に太る原因があります。

 ここが重要!

血液中のブドウ糖は常に5gに保つようになっています。

食事をすると、一時的にブドウ糖がどっと増加します。例えば、おにぎり1つ食べたとします。おにぎりが消化されると40gのブドウ糖になります。これは、角砂に換算すると12個分になるそうです!そんなに糖質が多いとは思いませんでした。ビックリです。

このように、食事をすると糖質が一気に血液中に流れます。すると、食事をしたおよそ30分~1時間をめどに、血液中の糖度は一気に上がり血糖値が上昇します。それをブドウ糖スパイクと言い、それが脂肪を溜め込む原因となってしまうのです。

血糖値を下げる為にインスリンが分泌されます。ところがそのインスリンが脂肪を溜め込む犯人!

血液中にブドウ糖が多くなりブドウ糖スパイクになると、すい臓でインスリンというホルモンが分泌されて血糖値を元の5gに下げるように働くのです。

この時、カラダで必要なブドウ糖は使われますが、余ったブドウ糖は非常時の備えて蓄えられます。実はこのインスリンは肥満ホルモンとも呼ばれていて、その時、脂肪細胞を使い、そこにブドウ糖を吸収して脂肪にかえて蓄えてしまうのです。

このようにして、インスリンは血液中の糖質を下げます。ですが、その脂肪細胞がエネルギーとして使わなければ、これが繰り返されてドンドン蓄積された脂肪は肥大化して膨れ上がってしまうのです。これが、体脂肪となって太ってしまうという仕組みです。

つまり、インスリンの分泌をなるべく抑える食事方法が太らないためには大切なんです。そこで、いま注目されているのが血糖値の上昇を穏やかにし、インスリンの分泌を抑える事で脂肪を蓄えにくくする低糖質ダイエットなんです。

知っておきたい!血糖値を上げない食べ方の工夫

では、血糖値の上昇を抑える食事の食べ方を紹介したいとおもいます。

ここで、質問なんですが、

同じ100gで、おにぎり2つカロリーは180Kcalです。もう一つ、ステーキでカロリーは498kcalが出された時、どちらの方が太りやすいのでしょうか?
太りやすいのは、カロリーの高いステーキよりも、カロリーが低いおにぎりの方なんです。

カロリーの高いステーキを食べてダイエットになるのだろうか?

 ここも重要!

かつては、お肉は太りやすい食べ物と言われていましたよね。しかし、実際は、タンパク質を食べるとエネルギー消費が上がる事や、脂質を控えてしまうとエネルギー消費が低下することが分かってきているそうです。

お肉のタンパク質や脂肪はカラダを燃焼するする為には必要な栄養素なのです。つまり、摂取カロリーだけを気にしていてもダメで、食べてる物の内容によって消費カロリーが変わってくると言うことなんです。もちろん食べ過ぎは太ります。気をつけましょう。

では、もう一つ、質問です。

同じ量の白米とチャーハン、どっちらが太りやすいのか?
カロリーだけを考えると、当然、白米の方が低いのでダイエット中なら白米を選ぶと言う人も多いかと思います。ですが、実はチャーハンの方が太りにくいのです。
そのカギは油です。チャーハンは油でコーティングされています。それが、腸の働きを穏やかにするので血糖値が一気に上昇しないようにしてくれます。そのためインスリンの分泌も少なくてすむのです。
さらに、具材に野菜や肉類なども入っているので、それらと一緒に食べる事でも血糖値の上昇を抑制される事になります。

このように、食べ方の工夫をすることで血糖値の上昇を緩やかにしてインスリンの分泌を抑えることができます。では血糖値の上昇を緩やかにしてインスリンの分泌を抑える食べ方の工夫を紹介します。

野菜から食べて糖質のご飯は最後にする!食べる順番を工夫する

全く同じメニューを出されても、何を先に食べるか、食べる順番を変えるだけでも血糖の上昇を抑制することができます。

【ご飯】【味噌汁】【サラダ・漬物など副菜】【お肉など主菜】のメニューがあります。

血糖値の上昇を抑える食べる順番は、【サラダ・漬物など副菜】⇒【味噌汁】⇒【お肉など主菜】⇒【ご飯】

このように、白米を先に食べるよりも、先に野菜を食べることで血糖値の上昇を抑制することができます。

重要!
だからと言って、カロリーは一切気にしないでいっぱい食べても良いと言う事ではありません。カロリーの摂り過ぎは、確実に太る原因となります。摂取カロリーは摂り過ぎないことが前提です。

コンビニのおにぎりは温めないで!

ご飯など食べる時は、温めないで冷えたままで食べると吸収されにくいデンプンに変わるので血糖値の上昇を抑える事が出来ます。

私が、それを知ったのは、循環器専門医の池谷敏郎先生を追跡している番組でした。池谷先生自身もコンビニのおにぎりを温めないで食べていました。

糖質などの炭水化物は小腸で吸収されていますが、炊き立ての温かいご飯は短時間で吸収されるので食後の血糖値が急激に上昇します。

ですが、冷めていく過程で吸収されにくいでんぷんに変化するそうです。それをレジスタントスターチと言うそうです。その為、吸収されるのに時間がかかるので食後の血糖値を上げすぎないそうです。

この効果は、ご飯だけではなく、麺類などの炭水化物にも同じ効果があるそうです。このことを知っていると、ラーメンを食べたいときは冷やし中華にしたりしてラーメンも楽しむことができます。

1日3食ちゃんと食べる事が血糖値の上昇を抑える

同じように血糖値を急激に上昇させない食事方法として、3食食べることも大切だと考えられています。

朝食が400kcal、昼食が800kcal、夕食1000kcalと、1日3食2200kcalを分けて食べた人と、夕食だけ1日1食1000kcalしか食べていない人の血糖値の上昇を調べると、1日3食2200kcal食べた人の方が血糖値の上昇が穏やかで、1日1食1000kcalしか食べていない人のほうがブドウ糖スパイクが高かったそうです。

つまり、空腹時間が長くて、一気に食べ物を食べると、それだけ血糖値が急激に上昇しやすくブドウ糖スパイクが大きくなってしまうと考えられているんです。

リバウンドを予防するカギは筋肉量を落とさない!

ダイエットは成功しても、そのあとのリバンドしてしまった。こんな経験がある方も多いのではないでしょうか。ダイエットしてもリバウンドとの戦いが残っています。

急激に無理に痩せるとリバウンドしやすくなります。リバウンドしないためには、急激に痩せないで時間をかけてゆるやかに痩せる事がリバウンド防止につながります。

実は、急激なダイエットは筋肉量を減少させてしまいます。そう聞くと、運動をしないからだと思われるかと思いますが、もちろん運動は大切です。ですが、筋肉量が減少してしまう要因はそれだけではありません。

一般的には、体重が軽くなり痩せる時には体脂肪だけでは無く、筋肉も落ちると言われています。一方、体重が増える時は、体脂肪だけが増えていくと言われています。その為、ダイエットとリバウンドを繰りかえすことで、筋肉や骨は減少して、体脂肪は増えていくと考えられるのです。

元々は、ダイエットと言うとカロリーを減らすことが重要のように考えられていたので、カロリーが高い脂肪は減らす傾向でした。ですが、糖分を減らすと体内に蓄積されている脂肪を消費するように働きかけます。

しかし、脂肪の摂取量を減らしても、カラダに十分脂肪が蓄えられているので、カラダはビックリしないので脂肪を減らしても体重はそんなに減ってこないことがわかってきているそうです。

また、今は食事の時に摂取する栄養素が大切だとわかってきました。お肉や魚や大豆などに多く含まれるたんぱく質は筋肉や皮膚・髪の毛・骨・臓器などをつくったり、体内の調整に役立っているホルモンの材料になります。

植物や魚の脂肪分の中には不飽和脂肪酸が含まれており、血液中の中性脂肪やコレステロール値の調節をして体に良い働きをしています。

タンパク質や脂質はしっかり食べて、糖質(炭水化物)の量を減少させましょう。筋肉や骨が減少してしまう急激なダイエットはやめましょう。ゆっくり時間をかけて痩せる事がリバウンド予防には大切な事なんですね。

糖質の過剰摂取は老化を加速させる!

同志大学の糖化ストレス研究センター教授 八木雅之先生の実験で、豚の皮膚を人間の体内でブドウ糖スパイクが頻繁に起きている状態とほぼ同ブドウ糖たっぷりの液体に漬けて、人間の体温と同じように温めて5日間放置すると、皮膚が茶色に変色してしまいました。

これは、『糖化』と言うそうです。お肌はタンパク質でできているので、そこに血糖が結びつく事で糖化と言う現象が起こるそうです。

糖化してしまうと、皮膚は硬くなり弾力が無く変色してしまいます。つまり老化することなんです。糖質を過剰に摂取することで肥満だけでなく全身で老化を加速させてしまうのです。