魚介類の中で最もタウリン含有量が多いのは牡蠣

タウリンを含む食材はたくさん存在しますが、特に、タウリンを豊富に含むのが魚介類です。魚介類といってもたくさんありますが、ホタテ・ホッキガイ・アサリ・シジミ・ハマグリ・イカ・タコ・エビ・イワシ・サンマ・ブリなどの魚介類にもタウリンは豊富に含まれています。

中でも、最もタウリン含有量が多いのは牡蠣だと言われています。実は、牡蠣を100g食べることで、約1,100mgもタウリンを摂取することができるのです。これは、数ある魚介類の中でも圧倒的な含有量を誇っています。

タウリンは、含硫アミノ酸(硫黄を含むアミノ酸)で、ほんのわずかしか含まれていない植物を除けば、ほぼ全ての生物に存在していることがわかっています。

もちろん、人間の体を構成するタンパク質の主成分アミノ酸の一種なので、人間の体内のあらゆる組織に存在していて、中でも、存在しているタウリンの約半分は、筋肉部分に存在していると言われています。

そして、タウリンを含む生物のうち、特に、魚介類に豊富に含まれていることから、食事では魚介類を中心とした食事内容にすることで、必要な量のタウリンを効率よく摂取することができます。

タウリンを摂取する際に知っておくべきポイント

牡蠣をはじめとする様々な魚介類に豊富に含まれているタウリンですが、私たち人間のカラダの中で合成することができます。

また、海に囲まれている日本人にとって魚介類は、昔から親しまれてきた食材なので、和食を毎日食べるようにしていれば、タウリンが足りなくなるということは、まずあり得ないと考えられていました。

ところが、近年の日本人の食生活の欧米化により、和食を食べる機会が減少する傾向にあるため、タウリンが不足している可能性が高まってきています。

さらに、偏食やダイエットなどによる過度な食事制限が、タウリンの摂取量に加えて、体内でのタウリンの合成の妨げにもなってしまうので、バランスのよく食事を摂るということにも意識する事が必要です。

タウリンは、代謝スピードが速く、摂取しすぎた場合は、尿によって排出されるようになっているので、摂りすぎたとしても副作用といったものはないとされています。

最近、肉食ばかりで魚介類をほとんど食べていない方は、毎日の食事に魚介類を摂るようにするといいですね。

タウリンに期待されている働き

肝機能を高めてコレステロール値や血糖値を抑制

タウリンには、肝臓において胆汁酸の分泌を促進したり、肝細胞の再生力を高める他に、細胞膜を正常な状態に維持する働きがあります。

胆汁酸を合成する際には、コレステロールを必要とし、胆汁酸はそのままコレステロールを体の外に排出してくれます。つまり、タウリンを摂取して胆汁酸の分泌が促進されることで、胆汁酸の量が増えてコレステロール値を抑制することができます。

また、コレステロール値が下がると血管内が詰まりにくくなるため、動脈硬化の予防にもなります。さらに、タウリンには、インスリンの分泌を促進する働きもあります。

インスリンには、血糖値を調整する役割があり、タウリンを摂取することによってインスリンの量が増えることで、血糖値を抑制することができ、糖尿病の予防にも効果が期待できるのです。

血圧が上がるのを抑制して高血圧を予防

交感神経が刺激を受けることで、血管が収縮して心拍数が上がったり、腎臓の働きを抑制する交感神経が腎臓に働きかけたりすることで、血圧が上がってしまいます。

人間の体内では腎臓の働きのおかげで、余分な塩分や水分が排出されて血液の量がコントロールされ、血圧が上がらないようになっていますが、交感神経によって血管が収縮したり、腎臓の働きを抑制されたりすることで、血圧が上がってしまうのです。

タウリンは、このような交感神経の働きを抑制してくれます。タウリンを働きによって、腎臓機能を正常な状態に維持し、血圧が上がるのを抑制することができるため、高血圧を予防することができるのです。

血管収縮作用があるノルアドレナリンの分泌を抑制

脳がストレスを受けたり、興奮状態になったりするとノルアドレナリンというホルモンがたくさん分泌されます。実は、このノルアドレナリンというホルモンが、血管を収縮させて血圧があがる原因になっているとも言われているのです。

このように血管収縮作用があるノルアドレナリンにも、タウリンは効果を発揮します。タウリンは、ノルアドレナリンの分泌を抑制する働きも持ち合わせているため、血圧が上がる原因となる血管の収縮を抑制してくれます。