カラダの為に、糖質の摂り過ぎを注意している人が増えています。血糖値を下げるためには、日頃の生活習慣を改善しなければならず、一般的な治療法として、食事療法を取り入れて食事制限を行ったり、運動療法を取り入れて運動不足の解消するなどの対策が取られます。

しかし、これらの方法は長続きさせることが大変難しく多くの方が挫折してしまう事も少なくありません。そこで、オススメなのがお茶です。お茶には血糖値を下げる成分が豊富に含まれているものもあり、最近では、消費者庁がその有効性を認可している「トクホ(特定保健用食品)」といったお茶が登場し期待が高まっています。

お茶なら普段の食事で一緒に飲むだけなので、食事療法や運動療法のように生活習慣を大きく変える必要がなく手軽に血糖値対策が行えます。どんなお茶を飲めば良いのか見ていきましょう。

おススメのお茶とその特徴

人間の体内には血糖値をコントロールする役割があるインスリンというホルモンが存在しますが、お茶に含まれている成分には、このインスリンと同じように血糖値の上昇を抑えてくれる働きをしてくれる成分や、糖が体内に吸収されるのを緩やかにして血糖値の上昇を抑えるといった成分が含まれています。

緑茶の特徴・効果

誰もが何度も飲んだことがあるほど、日本人にとってとても馴染み深い飲み物である緑茶ですが、他のお茶とは違い摘んでからすぐに熱処理をして発酵をしないで作られます。こうして発酵をせずに作られた緑茶には、健康成分が損なわれることなく豊富に含まれています。緑茶をはじめお茶にはカテキンという成分が含まれていますが、カテキンは発酵に弱いため、発酵しない緑茶には、他のどのお茶よりも特に多く含まれています。

緑茶に含まれてきるカテキンはポリフェノールの一種で、アミラーゼという消化酵素の働きを抑えて消化を遅くする働きや糖が吸収されるのを抑える働きも持ち合わせているので、食後の血糖値が上がるのを抑えてくれます。また、緑茶には、糖の吸収を緩やかにしてくれる働きがある水溶性食物繊維である難消化性デキストリンも含まれているので、これも食後の血糖値を抑制してくれます。

ウーロン茶の特徴・効果

元々ウーロン茶は、中国の南部に位置する福建省という地域で発祥の地と言われています。中国茶の特徴としては、緑茶(リュウチャ)、黄茶(ファンチャ)、白茶(パイチャ)、青茶(チンチャ)、黒茶(ヘイチャ)、紅茶(ホンチャ)という順番に発酵の度合いがあります。この中でウーロン茶は真ん中ぐらいの青茶に分類されて、発酵を途中で止める半発酵した状態に仕上げられています。

ウーロン茶にも緑茶と同じポリフェノールの一種であるカテキンが含まれていますが、半発酵という製法によって、ウーロン茶に含まれているカテキン同士が結合して、ウーロン茶ポリフェノールができます。このウーロン茶ポリフェノールには、脂肪の吸収を抑える働きがある以外に血糖値を下げる働きもあるので、緑茶と同様に糖尿病の予防に飲むようにすると良いとされています。

紅茶の特徴・効果

不発酵茶の緑茶や半発酵茶のウーロン茶とは違って、茶葉を完全に発酵させて作られるのが紅茶です。紅茶には、カテキンの他に紅茶ポリフェノールという成分が豊富に含まれてます。紅茶は糖尿病の予防に有効な飲み物として知られ、カテキンが糖が体内で吸収されるのを抑えてくれることがわかっています。ですから、毎日紅茶を飲む習慣があれば、食事によって血糖値が一気に上がるようなことはなくなります。

さらに、血糖値を抑えるのに効果があるのが紅茶特有の成分である紅茶ポリフェノールです。紅茶は完全に発酵させる製法で作られますが、この発酵によってテアフラビンやテアルビジンといった色素成分が生まれます。これが紅茶ポリフェノールという成分で、糖の吸収を促進する消化酵素アミラーゼの働きを弱めるので、糖が吸収されるのを抑えることができるのです。

番茶の特徴・効果

番茶にもポリサッカライドという多糖類が豊富に含まれていて、血糖値を下げるのに効果が高い成分です。カテキンと同じで、春の5月頃に収穫する新茶や、夏の7・8月頃に収穫する二番茶や三番茶よりも、秋の9・10月頃に収獲する秋冬番茶にポリサッカライドは最も多く含まれていることがわかっています。

血糖値の調整役として知られるインスリンですが、番茶に含まれるポリサッカライドにも、同じような働きがあります。ポリサッカライドには、血液中の糖の代謝をスムーズに行えるように促す働きがあり、血糖値が上げるのを防ぐことができます。ただし、熱に弱い性質があるので余すことなくたくさん摂るためには、水出し番茶が良いでしょう。価格も比較的安いのでお金があまりないけど血糖値対策のために毎日飲みたいという方にはちょうど良いお茶と言えるかもしれません。

ほうじ茶の特徴・効果

番茶や煎茶などをほうじ機を使って約200度の高熱で茶色くなるまで焙じて、より香ばしい味わいになるように作られたお茶をほうじ茶と言います。ほうじ茶は、番茶や煎茶よりも香ばしく苦味が少ないので、とても飲みやすいお茶です。なぜ飲みやすいかと言うと、高温で焙じることで、苦味の原因と言われるカフェインが飛ばされ、ほうじ茶独特の香ばしさが引き出されるからです。

ほうじ茶の効能に関しては、ダイエットや美容といった効果や抗菌・抗酸化作用などがありますが、お茶特有の成分であるカテキンも含まれており、糖尿病の予防に良いお茶でもあるのです。このカテキンが働きによって、糖が分解を阻害して、体内に吸収されるのを抑えてくれるため、血糖値を下げることができます。

ただし、お茶の中で最もカテキン含有量が多いと言われる番茶と比べるとカテキンの含有量は少なめなので、番茶の苦味がそれほど気にならないという方は、ほうじ茶より番茶を選び、番茶の苦味が苦手という方は、ほうじ茶を選ぶと良いでしょう。

グァバ茶の特徴・効果

グァバは、南米の熱帯地域が原産地で、東南アジアや日本の沖縄でもたくさん生産されている植物で、果実はジュースなどに利用されていますが、葉はお茶として利用されています。このグァバの葉で作ったお茶が、糖尿病の予防に効果があるのです。グァバ茶にも他のお茶のようにポリフェノールが含まれていて、これをグァバ葉ポリフェノールと言います。

このグァバ葉ポリフェノールには、タンニンやケルセチンという成分があり、これらのグァバ葉ポリフェノールが、血糖値を下げるのに効果があることがわかっています。炭水化物を摂取するとブドウ糖に分解されて血液中に吸収されますが、グァバ葉ポリフェノールには、アミラーゼという糖を分解する酵素を阻害する働きを持っているため、血液中への糖の吸収が遅くなり、血糖値が上がるのを抑えることができるのです。

ヤーコン茶の特徴・効果

中南米のアンデス地方が原産地のヤーコンは、キク科の植物で葉はひまわりと同じような形状をしており、根っこ部分には芋ができることから「アンデス・ポテト」と呼ばれることもあります。ヤーコン茶に使用する葉には、様々な栄養素が含まれていて、その中には、糖尿病にも有効な成分も含まれています。ヤーコン茶には、赤ワインと同じくらいポリフェノールが含まれていて、糖の分解作用を弱めて、糖の吸収を防ぐ働きがあります。

また、ヤーコン茶の働きとして注目なのが、血糖値をコントロールするインスリンと似た働きがあり、血糖値を安定させる効果が期待できます。さらに、ヤーコンの葉には、イヌリンもたくさん含まれています。“天然のインスリン”と呼ばれ、腸内でゲル化して食べ物の移動スピードを遅らせることで、糖が吸収されるのを緩やかにして、血糖値の急激な上昇を防いでくれます。

バナバ茶の特徴・効果

フィリピンをはじめ、東南アジアの熱帯地域で自生している植物で、フィリピンでは昔から葉を煮て作るバナバ茶として健康のために飲まれてきました。バナバの葉には、血糖値の改善効果がある成分が豊富に含まれています。それが、コロソリン酸という成分です。このコロソリン酸には、糖の代謝を促進する働きがあることがわかっています。

通常、糖がエネルギー源として代謝される時は細胞内に吸収されて、インスリンが機能が低下すると吸収されずに糖が血液中に溜まって糖尿病を発症します。しかし、バナバの葉に含まれるコロソリン酸は、糖が細胞内に吸収されるのを促進する働きがあるので、糖の代謝がスムーズに行われるようになります。また、血糖値が高い場合にのみ機能し、血糖値が低い場合には機能しないので、低血糖値になるリスクがないというメリットもあります。なので、バナバ茶は、血糖値の管理には持って来いのお茶と言えるのです。

サラシア茶の特徴・効果

インドやスリランカといった熱帯地域に自生するニシキギ科の植物であるサラシアから作られるサラシア茶は、古くから糖尿病に効く健康茶として飲まれています。サラシア茶には、サラシノールという成分が含まれていて、最近の研究で、このサラシノールに糖尿病の予防につながる効果があることが解明されました。食事体内に摂り込んだ糖質は、最終的には、小腸まで到達してα-グルコシターゼという消化酵素によってブドウ糖に分解されます。

実は、サラシア茶に含まれているサラシノールには、この糖の分解に関わっているα-グルコシターゼの機能を抑える働きがあり、血糖値が上がるのを防ぐことができるのです。このように、サラシア茶には、血糖値を下げて糖尿病を予防する効果が期待できますが、ブドウ糖に分解されなかった糖(オリゴ糖)は、余分なものはそのまま排出されて、途中大腸で善玉菌のエサとなり、腸内環境の改善という効果もあるようです。

桑の葉茶の特徴・効果

桑の葉は、絹糸を生み出す蚕のエサとして日本では古くから養蚕業で利用されてきました。様々な栄養素が含まれていて、カルシウムや鉄分は群を抜いて多く含まれています。そんな栄養満点の桑の葉で作られた桑の葉茶には、私たち人間の体に良い影響をもたらしてくれる様々な健康効果がありますが、中でも、桑の葉にしか含まれていないデオキシノジリマイシンという成分が持つ働きには注目です。

デオキシノジリマイシンには、血圧の抑制や抗酸化作用といった働きがありますが、糖尿病の予防効果も高いのです。糖は小腸に辿り着くとブドウ糖に分解されて血糖値の上昇を招きますが、デオキシノジリマイシンが、糖を分解する酵素の働きを抑えてくれるので、ブドウ糖になる前に防ぐことができ、血糖値を下げることができるのです。ですから、血糖値を下げる効果を十分に発揮させるためには、食事前に飲むようにすると良いでしょう。

ギムネマ茶の特徴・効果

原産地がインド南部のギムネマは、インド南部の他に、東南アジア・中国南部といった地域に自生しているガガイモ科の植物で正式名称「ギムネマ・シルベスタ」とも呼びます。インドで古くから伝わる伝統医学「アーユルヴェーダ」においては、糖尿病の治療に利用されてきたことから、ギムネマの葉を乾燥させて作ったギムネマ茶には、血糖値の上昇を抑える効果があることがわかります。

糖尿病になるとインスリンの分泌が上手くいかず、血液中に糖が残り、血糖値が上昇しやすくなります。ところが、ギムネマ茶には、体内で摂取した糖が吸収されるのを防ぐことができ、その結果、血糖値が上がらない状態を維持することができるのです。また、ギムネマ茶を飲むことで糖の吸収を抑えられるので、体内に脂肪が蓄積されるのを防ぐこともでき、ダイエット効果も得られます。

ゴーヤ茶の特徴・効果

沖縄名産品であるゴーヤ(ニガウリ)は、苦味がある健康食材として古くより息縄の人たちの健康を支えています。ビタミン・カリウム・β-カロテン・食物繊維といった栄養素を豊富に含んでいて、美容やダイエットなどに効果がある以外に、血糖値を下げるのにも効果が高いことで知られています。ですから、ゴーヤ茶を飲むことは、糖尿病の予防に良いのです。

実際に、ゴーヤをよく食べている沖縄の人たちは、糖尿病の発症率が低いというデータも出ているくらいです。ゴーヤ茶には、ポリペプチド-P・チャランチン・モモルデシンという成分が含まれていて、糖が細胞へ取り込まれるのを促進し、血糖値の上昇を抑えてくれます。さらに、ゴーヤ茶に含まれているビタミンB1という成分には、糖の代謝を促進する働きがあり、糖が吸収されるのを防ぐ働きがあり食物繊維も含まれています。

プーアール茶の特徴・効果

原産地が中国の雲南省であるプーアール茶は、緑茶を半年発酵させて作られるお茶で、中国茶では、発酵度合いによって黒茶に分類されています。プーアール茶には、製造する発酵過程でリパーゼという脂肪分解酵素が含まれており、余分な脂肪を排出する働きがあり、肥満を予防す有効なお茶ですが、中国では昔から糖尿病にも効くお茶として飲まれています。

プーアール茶に含まれる糖尿病に効く成分がサポニンです。サポニンは、糖尿病になってインスリンの機能が低下している際に、インスリンの分泌を促進してくれます。これだけでも血糖値を低い状態に安定させることができますが、この働きに加えて、インスリンそのものと同様の働きをしてくれることもわかっているため、血糖値が高い状態でプーアール茶を飲むことで、糖の代謝を活性化させて高血糖の状態の改善にも効果を発揮してくれるのです。

ゴボウ茶の特徴・効果

ゴボウは、元々薬草として中国から伝わったキク科の植物で、肥満の改善や若返り効果なども期待できるる成分が豊富なことから、最近では、ゴボウ茶を飲む方が増えてきています。ゴボウ茶には、イヌリンという成分が含まれていて、糖尿病の予防に効果があります。イヌリンは、水溶性食物繊維で水分を含むとゲル状に変化し、摂取した食べ物をゆっくり移動させるため、糖が吸収されるスピードを抑えてくれるので、血糖値が上がるスピードも遅らせることができます。

また、イヌリンには、過剰なインスリンの分泌を抑えることにもつながります。糖尿病発症者のほとんどが、体内でインスリンが過剰に分泌されて次第に分泌が限界に達してしまい、インスリン分泌量の減少が見られることがわかっています。でも、イヌリンを摂取することで、インスリンの過剰な分泌を抑えインスリン不足を防ぐことによって、血糖値の上昇を抑えることができます。なので、ゴボウ茶は糖尿病に効くお茶と言えるのです。

菊芋茶の特徴・効果

北米が原産地である菊芋は、キク科のヒマワリ属の植物で芋のような根ができることから命名されました。そんな菊芋から作られている菊芋茶には、“天然のインスリン”と呼ばれているイヌリンという成分が含まれていて、糖尿病患者さんの強い味方になってくれます。水溶性食物繊維に分類されるイヌリンは、消化酵素の影響を受けず消化されることがないため、そのまま体の外へ排出されます。

イヌリンは、水分を吸収すると膨張して腸内をゆっくり移動するのですが、これによって、食後に血糖値が一気に上がるのを防ぐことができるのです。また、インスリンの産出を抑えて膵臓の負担を和らげて、インスリンが不足するリスクもなくなります。これが、イヌリンが“天然のインスリン”と呼ばれている理由です。ですから、菊芋茶を飲んでから食事をすることで、食後に血糖値が上がるのを和らげることができるのです。

びわの葉の特徴・効果茶

原産地はインドや中国南部のびわの葉は、昔から様々な病気に対して効能があることで治療薬などに利用されてきました。そんなびわの葉を乾燥してから作ったびわの葉茶には、糖尿病の予防に効果があることが、最近の研究で解明され今注目を集めています。びわの葉茶は、インスリンと似た働きをするコロソリン酸が含まれています。

インスリンと言えば、血糖値の代謝を促進し、正常値にコントロールする役割を担っていますが、糖が細胞に取り込まれるのを後押しします。これによって、血糖値を安定させて糖尿病になるのを防ぐことができるのですが、コロソリン酸にも同じように糖が取り込まれるのを調整する役割があり、血糖値を下げるのに大いに役立つ成分なのです。また、食物繊維も含まれていて、糖が吸収されるスピードを遅らせることができるため、血糖値の上昇を抑えられるのです。

ジュアール茶の特徴・効果

アフリカの東部が原産地であるツバキ科の野草ジュアールを乾燥させて作ったお茶をジュアール茶と言います。ジュアール茶には、カルシウム・亜鉛・鉄・マンガン・銅といったミネラル類がたっぷり含まれていますが、血糖値対策に効果を発揮する成分であるカテキンも豊富に含まれています。その含有量は、カテキン含有量トップクラスの緑茶の2倍というから驚きです。

通常、炭水化物(糖質)を食事で摂取することで消化酵素に分解されてブドウ糖に変わりますが、カテキンは、糖の分解に関わっている消化酵素の働きを弱めるように働きかけます。すると、摂取した食べ物はゆっくりと時間をかけて消化・吸収が行われるので、血糖値が上がりにくくなります。このように、お茶の中でも圧倒的なカテキン含有量を誇るジュアール茶は、血糖値対策に持って来いのお茶なのです。

シジュウム茶の特徴・効果

原産地が南米の熱帯地域のシジュウムは、グァバの仲間で昔から民間薬として利用されてきた植物です。シジュウム茶には、ポリフェノールの中の一つタンニンが豊富に含まれていて、抗酸化作用や免疫力の強化などの働きを持っており、アトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギー症状に効果があります。

そして、糖尿病対策にも有効な成分も含まれています。糖尿病の治療には、インスリンが使用されますが、シジュウム茶には、このインスリンと同じように作用する成分が含まれていて、高血糖の状態になっている血糖値を下げてくれることがわかっています。

さらに、シジュウム茶に含まれている糖尿病に効く成分としてリンがあります。リンは、ビタミンB1やビタミンB2と結び付くことで補酵素に変わり、糖の代謝がスムーズに進められるように働きかけてくれるので、高くなった血糖値を下げることができます。

杜仲茶の特徴・効果

中国の四川省が原産地である杜仲茶は、糖尿病の予防に有効なお茶として、日本でも広く飲まれています。糖尿病になるとインスリン不足で血糖濃度が上昇して、進行すると合併症を発症する危険があります。そんな糖尿病の予防に良いとされているお茶が杜仲茶です。

アディポネクチンという善玉ホルモンが減少すると、インスリンの機能が低下した状態になって糖の処理が正常に行われないインスリン抵抗性が高くなって高血糖を招きます。しかし、杜仲茶を飲むことでアディポネクチンの分泌量を増やすことができるようで、アディポネクチンが増えればインスリンの機能が回復し、血糖値を下げることができるのです。また、杜仲茶にはアスペルロシドという成分が含まれているのですが、このアスペルロシドによって、高濃度の血糖値を下げるのに大いに貢献してくれます。

黒豆茶の特徴・効果

黒豆茶の原料には、黒大豆という品種が使用されており、アントシアニン・トリプシンインヒビター・キモトリプシンインヒビター・ビタミンB群・食物繊維といった糖尿病に効果の高い栄養成分がたっぷり含まれています。ポリフェノールの一種であるアントシアニンや、トリプシンインヒビター・キモトリプシンインヒビターという酵素には、インスリンの機能を正常に保つアディポネクチンという善玉ホルモンの分泌を増やす働きがあります。

インスリンの分泌機能が低下していた場合、インスリンが正常に機能するように分泌を活性化して、血糖値を安定させることができます。そして、ビタミンB1やビタミンB2といったビタミンB群には、エネルギー源となる糖が筋肉細胞などに供給されるのを促進し、糖の代謝をアップさせる働きを持っています。さらに、黒豆茶には食物繊維も豊富で、体内で糖が吸収されるのをゆっくり遅らせることができるのです。

玄米茶の特徴・効果

玄米茶とは、さらに加熱した番茶と炒った玄米を混ぜ合わせたお茶のことで、苦味のもとであるカフェインが少なくて香ばしい玄米が混ざっているので、とても飲みやすいお茶として人気があります。玄米茶には、ダイエットやアンチエイジングに効果がある成分をはじめ、様々な健康成分が含まれていますが、血糖値対策にも有効な成分も含まれています。

まず、γ(ガンマ)-オリザノールとGABA(ギャバ)です。γ-オリザノールとGABAには、インスリンの分泌を活発にする以外に、血糖値を上昇させるグルカゴンの分泌量も減らすことができます。また、お茶特有の成分であるカテキンも含まれていて、消化酵素アミラーゼの働きを抑えることができます。消化酵素の働きが抑えられると、消化して糖が吸収されるまでの時間がかかるため、食後に血糖値が上昇するのを防ぐことができるというわけです。

なた豆茶の特徴・効果

東南アジアが原産地であるなた豆はですが、江戸時代初頭に日本に伝わったようです。大きさが30~50cmほどあり、鉈(なた)という刃物に形が似ているのでなた豆と名前が付きました。最近では、歯周病や口臭といったお口のケアを目的に作られた、なた豆茶やなた豆の歯磨き粉などをよく見かけますが、実は、“歯周病は糖尿病の合併症”と言われているように、糖尿病と歯周病にはとても深い繋がりあるのです。

歯周病になることでTNF-αという物質が分泌されるのですが、このTNF-αは、インスリンの働きを阻害する物質なのです。つまり、歯周病になってしまうと、血糖値のコントロール役であるインスリンが上手く機能しなくなるため、高血糖の状態が続いてしまい、糖尿病がさらに進行するという最悪の結果を招くのです。もし、糖尿病の疑いがあるのならば、なた豆茶を飲むのことで歯周病のケアになり、同時に糖尿病の発症も防ぐことにもなるので、毎日飲んでみると良いでしょう。

タンポポ茶の特徴・効果

タンポポ茶は、タンポポの根を焙煎して作ったお茶で、タンポポは、古くより中国では漢方として使用されてきました。根に栄養が豊富に含まれていて、利尿作用でむくみ解消・母乳の分泌促進・食欲減退防止・便秘解消などの効果がありますが、タンポポ茶には、食後に血糖値が上がるのを防ぐ効果があり、糖尿病予防のために飲むのも良いとされています。

では、どの成分が糖尿病に有効なのかと言うと、それは、イヌリンという水溶性食物繊維です。イヌリンは、胃に到達すると水分を吸収してゲル状に変化して大きく膨らみます。すると、食べ物が胃から小腸まで進む速度が遅くなるので、その結果、糖がゆっくり吸収されるようになるのです。そして、糖がゆっくり吸収されれば、食後に起こる血糖値の上昇を緩やかにして、いきなり血糖値が上がらないように抑えることができます。

カキドオシ茶の特徴・効果

日本の各地の山野に自生しているカキドオシは、生薬名を「連銭草」と言い、昔から民間薬として利用されてきたシソ科の植物です。このカキドオシという植物から作ったカキドオシ茶には、ダイエット・利尿作用・消炎作用・解毒作用・胆管結石改善・腎臓結石改善といった効果がありますが、糖尿病への効果も高いことで知られています。

1968年に開催された日本生薬学会で、富山大学薬学部の吉崎教授の研究グループによってカキドオシエキスには、強力な血糖値降下作用があるという研究結果発表がされたことで、カキドオシの糖尿病への有効性が高いことが初めて認められたのです。しかも、一般的に糖尿病の治療薬には、副作用のリスクがあるものが多いのですが、カキドオシには副作用がないというメリットもあります。つまり、カキドオシ茶は、安全かつ血糖値を下げる効果が高いという糖尿病治療には持って来いのお茶なのです。

柿の葉茶の特徴・効果

柿には、ビタミンC・β-カロテンなどの栄養成分が含まれていて、コレステロール低減作用・免疫力アップ・美容効果などがありますが、実は、柿の実の部分ではなく、柿の葉の部分にも豊富に栄養成分が含まれていて、糖尿病によく効くとされるカテキンやタンニンも豊富に含まれています。

カテキンとタンニンは、共にポリフェノールの一種で、カテキンは苦味成分のタンニンの主成分ですが、この2つには、消化酵素の活性を阻害する働きがあります。消化酵素アミラーゼの働きが阻害されると、糖がゆっくり吸収されるようになります。そして、糖の吸収速度が落ちることで、血糖値上昇の抑制効果が期待できるのです。ですから、食事をした後にいつも血糖値が急激に高くなってしまうという方は、カテキンとタンニンがたっぷり摂れる柿の葉茶を飲むことをオススメします。

紅豆杉茶の特徴・効果

原産地が中国の雲南省である紅豆杉は、一時は、国家一級保護植物として伐採が禁止されていたとても貴重植物です。そんなとても貴重な紅豆杉を使って作られたお茶が紅豆杉茶なのです。紅豆杉茶は、パクリタキセルという抗がん作用がある物質が含まれていたり、消炎作用といった働きがあり、リウマチの治療にも効果がありますが、中でも、特に注目したいのが、ポロフェノールの一種であるリグナンという血糖値を抑制する働きを持った成分が含まれていることです。

リグナンは、ビタミンB1やビタミンB6と密接に関わっていて、糖の代謝を活性化させるビタミンB1の働きを促進したり、ビタミンB6と結び付いてインスリンの分泌量を増やしたりする働きを持っています。なので、紅豆杉茶を飲むことで、リグナンの働きで血液中の糖の代謝が進み、高血糖の状態になっていた血液を低血糖の状態に改善することができるのです。

これらのお茶を毎日飲むことで、血糖値の上昇を抑える事ができれば、糖尿病の方は合併症の発症を予防することができますし、糖尿病予備軍の方なら糖尿病に進行するのを防ぐことができるので、糖尿病の疑いのある方は、自分の食生活に血糖値を下げる効果があるお茶を取り入れてみてはいかがでしょうか。